心にきみという青春を描く




「17歳の高二の子どもだよ?振るなら俺でしょ。なんで俺がカッコ悪くなんなきゃいけないの?だったら、俺に振らせてよ」

ペラペラと口を動かして自分のプライドを守ろうとする村尾さんのことを、詩織先輩はただじっと見ていた。


「そこ、そんなに重要ですか?」

「当たり前だろ!振られるなんて俺の人生で今まで一度だって――」


……パンッ!!

風船が割れたような音が鳴り、詩織先輩は村尾さんの頬に思いきりビンタをした。


「小さい男。さっさと帰って」


その冷たい視線と言葉に、村尾さんはなにかを言い返そうとしたけれど面倒くさくなったかのように、そのまま店から出ていった。


店内には、元どおりの五人。なんて声をかけたらいいのか分からずに沈黙だけが続く中、「みんな、ごめん」と、詩織先輩が頭を下げる。


「変なところ見せちゃって。なんか恥ずかしいな。いつも偉そうなことばっかり言ってるのに笑っちゃうでしょう?」

あえて雰囲気を明るくさせようとしている先輩に、松本先輩が近づいた。


「笑わねーよ」

そう言って詩織先輩の頭を撫でる。


「ここには笹森の味方しかいない。だから泣け。大人ぶったりしないで笹森は笹森のまま泣いて、あんな男のことなんてさっさと忘れちまえ」

「……う……っ」


そのあとダムが崩壊したように泣いた詩織先輩を私は抱きしめにいった。