心にきみという青春を描く



なぎさ先輩と途中で分かれて、チャイムが鳴ると同時に教室に着いた。

私の席は三列目の後ろから二番目。まだ名前順のままで、一学期は席替えをしないと先生が言っていた。


「月岡さん、おはよう」

「あ、うん、おはよう……!」


まだ友達と呼べる人はできてないけれど、席が近くの人はこうして挨拶をしてくれるようになった。

私は一限目の授業の準備をしながら、チラッと廊下側の一番前の席に座っている男の子を見た。


実は、同じ美術部員の芦沢天音くんとは同じクラス。


まだクラスメート全員の名前を把握しきれていないため、昨日の時点で天音くんが同じクラスだと気づくのに少し時間がかかってしまった。

すでに教室では派手な部類の人たちが存在感を示す中で、天音くんは影が薄い。そして私も当然、地味なポジションに属している。


「昨日、彼氏がうちに遊びに来てさー。寝かせてくれなくて寝不足」

「あんまり頑張ると身体に良くないよ?」

「でも拒否したら可哀想だし」


そんな生々しい会話を大声でしている女子たち。本当に中学校とは別世界だな……。

大人っぽい人も多いし、余計に自分がちんちくりんに見えてくる。


……やっぱり、このおさげがダメなのかな。でも中学の頃からずっとこの髪型だし、朝起きて洗面所に行くとすぐに結ぶのが癖になってしまっている。

なぎさ先輩に触られた髪の毛先をくるくると指で巻いていると、スカートのポケットでスマホが振動した。


【みんな今日の昼めしなに?】

それは、松本先輩からのメッセージ。