そして放課後。みんなで電車に乗って松本先輩の家に着いた。
晩ごはんの時間まではまだ早いので、私たちはお店のほうで画材などを見て、松本先輩はとりあえず裏手にある自宅へと向かった。
「こんなに大勢で迷惑じゃないかしら」と、詩織先輩。
すき焼きの準備は松本先輩のお父さんがしてくれるらしいけれど、たしかに四人も増えたら大変だと思う。
「あとでお手伝いにいきましょう。ご飯をいただくだけだと、なんとなく悪い気もするので」
「そうよね。家にお邪魔するのに、なんにも手土産を持ってこなかったし、そのぐらいは……」
「平気だよ。誘ってきたのは拓人なんだし、拓人の親父さん台所に勝手に入ると怒るよ。こだわりがあるみたい、油絵やってた時と同じで」
なぎさ先輩はそう言いながら、天音くんが漫画で使うスクリーントーンを一緒に選んでいた。
なぎさ先輩は松本先輩と一番付き合いが長いので、色々と分かっているんだろうけど、誘われたのは正直、私たちだけで先輩たちは無理やり……。
「なあ、やべえ。肉足りないんだけど」
松本先輩が私服に着替えて戻ってきた。
そりゃ、そうでしょう。四人も増えてしまったわけだし。
「だからじゃんけんで肉の買い出し行く人決めようぜ!金は心配すんな。俺のへそくりから出す」と、先輩は一万円札をひらひらさせる。
私たちは全員で顔を見合わせて、とりあえずじゃんけんをした。行く人はふたり。一発で勝負は決まり、負けたのは……。



