「……聞いたらダメですか?」
「え?」
「そういうプライベートのこととか、私が知らない先輩のことを、聞いたらダメですか?」
その他大勢じゃなくて、ただの後輩じゃなくて。飛び越えられない壁が間にはあったとしても、手を伸ばす努力ぐらいはしたい。
「いいよ」
真剣な私の瞳を、先輩は逸らさずに見てくれた。
「聞かれても、答えられないものもあるけど」
先輩はニコリと笑ったけれど、やっぱり少し突き放された気もした。でもめげない。ここで諦めたら、なにも知らないまま終わってしまう。
近づいたと思えば離れていくその距離を、私は必死で追いかけた。
私の恋はどうなっていくのだろう。
少しずつ先輩のことを知りながら、いつかこの想いを堂々と伝えられるように、勇気も育てていきたいと思う。



