「これがアクリル絵の具。裏のラベル見れば分かるけど、ここに透明か不透明かの表示があるでしょ?透明は下書きを見せるための絵の具で、不透明は下書きを塗り潰す絵の具。まあ、文字どおり透明感があるかないかの違いなんだけど」
先輩の説明はとても分かりやすかった。
「これ、学校のものだけど、美術部員ならいくらでも使っていいよ」
「ぜ、全部ですか?」
「うん」
画材屋のように鉄格子の網が斜めに設置してあり、そこに暖色系、中性色、寒色系の絵の具が取りやすいように絵の具が斜めに置かれていた。
よく使う白色などは何本もあるから、たぶん全部で150本くらいは揃ってると思う。
アクリル絵の具と並ぶように、他にも水彩絵の具や色鉛筆と様々な画材があり、どれも好きに手に取っていいとのこと。
……すごいな。こんなにたくさん絵の具があったら目移りしちゃう。
「あと、これが紙ね」と、先輩が指さしたのは横長の収納ケース。一段ごとにシールで記名されていて、上から画用紙、上質紙、工作用紙、ケント紙と、紙の種類もたくさんあった。
「これも全部使っていいんですか?」
学習しない私はまた同じことを聞いてしまう。
「いいよ。水彩画なら普通に水彩紙がいいんじゃない?ラフだと表面に凹凸があるから絵の具は乗りやすいと思うけど、コールドプレスは……」
先輩の発する単語の意味が分からない私は首を傾げる。
すると、先輩は「そっか、紙のこともまだ分かんないよね」と、丁寧に説明してくれた。



