あたしの恋はいくら頑張っても叶わないものだった。


誰もいないキッチン。


空になったお弁当箱を鞄から取り出して、あたしはぼんやりとそれを見つめた。


健が告白を受けない理由。


健が女子生徒たちと仲良くしない理由。


考えればすぐにわかることだった。


けれど、思いつきもしなかった。


健の心が女の子だったなんて……。


あたしはお弁当箱を抱きしめたまま、そのままに膝をついた。


涙が込み上げて来る。


健は『明日も楽しみにしてるから』と、言ってくれた。