店員さんの言葉にあたしは鼻で笑った。


やっぱりそうだ。


あの占い師とグルなのだ。


「そんなの信用すると思いますか? あたしは小学生じゃないんですよ?」


この店の雰囲気に騙されたりなんてしない。


あたしは店員さんに背を向けた。


せっかく素敵なお店を見つけたと思ったのに、気分は台無しだ。


昨日からいいことがなにもない。


「ちょっと待って」


店を出ようとした時、手首を掴まれて呼び止められていた。


あたしは振り返り、店員さんを睨み付けた。


「惚れ薬なんていりません。お金は持っていません」