夕飯のから揚げの味は正直しなかった。


両親の態度が気になり、夕食を楽しむ所じゃなかったのだ。


2人は麦茶を飲みほしていたから、きっと効果は出て来るはずだけど……。


夕食を終えて洗い物をしようとシンクに立った時だった。


「お父さんがやるから、お前は休んでなさい」


そんな事を言われてあたしは瞬きをした。


普段父親は洗い物なんてしない。


家事を手伝ってと言われると、文句を言うくらいだ。


「そうよ、青花は学校で疲れてるんだから」


母親もそう言い、こちらに笑顔を向けている。


「そう? それならお願い」


あたしはそう言い、2人に後片付けを任せたのだった。