10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~


「………」

しかし、そんな彼女の手には、朝にはなかった痣があった。そして、顔には、うっすらとだが殴られた跡があった。

僕が眠っていた間、彼女もまた、アヤカ達にいじめられたのだろう。

「やっぱり、僕じゃダメだったんだ…」

僕はそう言いながら、彼女の顔に触れた。

僕のみんなへの抵抗は、結局、彼女を守ることにはならなかった。

多分、僕がどう抵抗しようが、彼女を守ることはできない。

「どうしたの? どこか痛むの?」

現にこうして、彼女は傷ついている。

「いや、ただ………」

彼女を救える者は、もうこの世界のどこにもいないのかもしれない。

「ちょっと、心がね……」

僕の頭に、そんなやるせない思いが過った。