僕は昔から、動物や玩具を解体するのが得意だった。
この時は、その特技が思わぬ形で役にたった。
皮を剥がされたうさぎの死体を前に、あいつらは、声をあげて泣きわめく。
全くもって、理不尽だ。
昨日、あいつらが彼女にしたことに比べれば、余程、僕の方がまともだっただろう。
「でも、これで少しは分かっただろ? 大切なものを奪われる痛みが。理不尽に傷つけられる悲しみが……」
僕はうさぎを殺すことで、それをクラスメート達に伝えたかった。
そして、それが、傷ついた彼女にとって最も良い復讐であると僕は信じていた。



