「ありがとう。こんなに私の話を聞いてくれて」 それから僕と彼女は手を振って別れた。多分、かれこれ二時間くらい二人で話していただろう。 「また、美術室でね」 最後に、僕に笑顔を向けて言った彼女の言葉が、僕は何よりも嬉しかった。 この日、僕と彼女の絆は以前よりもずっと深まっただろう。 しかし一方で、僕の中で僕を悩ませていたのは、あの彼女が描いているコンクールのための絵だった。