「なぁ、聞こえるかい? うさぎはいいよな。 何もしゃべらないのに、言葉も分からないのに、みんなに愛されて」 僕はそんなことを考えながら、家へと続く帰り道を歩いた。 僕の心は真っ暗と荒んでいた。 そして、どうしても、彼女と真剣に僕達について話がしたかった。 僕は意を決して、彼女の家を訪ねることにした。 理不尽な力に脅かされる彼女の心を、僕は覗いてみたかった。 そして、僕は彼女の痛みを知り、できれば僕が彼女の心を支えたかった。