「何しに来たの……?」 僕が谷口に尋ねると、谷口はうさぎを持ち上げて嬉しそうに抱いた。 「別におまえには用ないから。俺はうささんに癒されに来ただけ」 谷口は赤ん坊を可愛がる父親のようにうさぎと遊びだした。 僕はそんな彼を冷ややかに眺めていた。