「なんでクラスのやつらは、マキさんにはあんなひどいことができるのに、一匹のうさぎのことは大切に思えるんだろう……?」
僕はずっとそれが疑問だった。
彼女も、僕だってそうだ。クラスメートからすれば、僕達はうさぎほどの価値もない。
ただのいじめる対象なんだ。
それなのに、脳みそがピンポン玉以下で、言葉はおろか、痛みを感じていることすら怪しいこの生物をどうして大切に思えるのだろうか?
一度でも僕や彼女が「痛い」と口にした言葉を聞き入れようとしなかったくせに。
…………と。
そこまで考えて、僕はこれ以上の追求を止めた。
というのも、僕はもともと動物が大好きだったし、第一、僕自身が、つまるところクラスメートよりかはもの言わぬうさぎの方が好きだった。
だから、このうさぎにどうこう思うのはいささかずれている気がした。
そんなことを考えながら、僕は飼育小屋の掃除を続けた。
すると、



