ある日、僕は教室の小窓から、いじめられている彼女の姿を見てしまった。 「助けたい。守りたい……」 でも僕は、結局なにもできなかった。 僕は教室で見たいじめを、 全部、見なかったふりをした。 そして、そのまま、自分を殺すような思いを抱いて、 僕は立ち去ってしまった。 今から思えば、 僕はひどく臆病者だった。 単なるいじめの傍観者だ。 時としてそれは、加害者より最低かもしれない。 僕は今でも、この時のことを後悔している。