彼女は奇跡的にあの事故から生還していた。
しかし、そんな彼女の身体は無傷ではなかった。
彼女は車椅子に乗り、身体中が包帯だらけだった。
そして、
『彼女の身体は五体満足ではなかった。』
事故の影響で、彼女は身体の大部分を切断していたのだ。
今や絵筆を取り、美しい絵を描いていた彼女の手は、両手ともその身体から失われていた。
そして、右足は膝から下がなく、左足に至っては、太股の根本からなくなっていた。
髪も治療のためか全て剃られていて、右目もぽっかりと空いたくぼみにガラスのような動かない義眼をつけていた。
「そうか。彼女の魂が見つからなかったのは、彼女がまだ、生きていたからか…」
僕は、妙に納得した。彼女の魂はまだ、現世にあったのだ。



