屋上は、星明かりによってぼんやりと藍色に照らされていた。
手を伸ばせば、届きそうなくらい近くに星が見えた。
本当に美しい夜空だった。
僕はしばらく感傷的な気持ちに浸った後、彼女の絵を給水機の近くに置いた。
僕は、美術室から持ってきたマッチを擦って火をつけた。
そして、その火を、僕は彼女の絵の上に落とした。
「綺麗な火だ。
君の絵は、失われる時も美しいよ」
彼女の絵は、鮮明な赤色で燃え上がる炎によって、高々と煙を上げて灰となっていった。
僕は、絵が燃え尽きる瞬間まで、じっくりとその炎を見つめた。
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