「手慣れてる感がすごい」
「なにが?」
「カメラのやり取りとか。キャラクターなんて喋らないのに」
「違うのよ、学くん。あの子達は言葉はなくても雄弁にお話してるのよ」
すごく真剣に訴えるから、多分、そういうことなんだろう。
通じるものがあるらしい。
「さて、気を取り直してアトラクションいこ!結構時間くっちゃったからちょっと急がないと」
「うん」
目的のアトラクションはジェットコースタータイプではなくて、コースターに乗りながらゆっくりと物語をなぞるタイプのものらしい。
子供向けの乗り物かと思いきや、これが以外にも楽しい。
前へ進んだと思ったら、後ろへ。かと思えば、ぐいんと回って曲線を描き。
縦横無尽に行き交うコースターがよくもまあぶつからないものだと思いながら、すれ違うコースターに乗る人々の顔にも笑顔が見える。
幼い頃に見た映画を記憶の隅に思い出しながらアトラクションを楽しんだ。
その後は抽選会場へ向かう。
機械にバーコードをかざすとすぐに結果がわかるらしい。
「ビギナーズラックすご」
「え、当たったの?」
画面にはcongratulations!の文字が華々しく書いてある。
「しかもめっちゃ良席」
後ろの人の邪魔にならないよう、会場を後にすると当選券に書かれている番号で席を確認した陽奈子が呟いく。
そして、嬉しそうな顔をした一瞬後、くっ、と今度は悔しそうな顔をして急に僕に抱きついた。
「え、なに?」
「いや、ひとりで来た時にもその運分けてもらえないかと思って」
「なんだそれ」
思わぬ返答に僕は気が抜けたように笑ってしまった。
ぎゅ、と一つ抱きしめ返すと我に返った陽奈子が離れていく。少しの名残惜しさを感じつつ、僕はその後ろを付いていく。
そんな感じでゆっくりと楽しい時間を過ごしていくと、日は暮れて夜のショーの時間になり席につく。
屋外でライトアップされた園内は室内ほどの明るさはないけれど、趣がある。
また、ショーが始まればその光と音に飲まれそうで迫力に圧倒された。
ちらりと陽奈子を見れば、笑ったり泣いたりと表情がくるくると変わっている。それをやっぱり愛しく思いながら共にその時間を楽しんだ。
僕らは遠方から足を運んでいるので、閉園まではまだ時間があるけれど、このショーを見終えて帰宅の途につく。
未だ楽しい音楽が流れ、人々の笑顔が溢れるこの場所を後にするのは名残惜しく、後ろ髪引かれる思いで遠ざかる音楽を聞きながら足を進めた。
「忙しい1日だったね、陽奈子の顔」
「え」
「いや。笑ったり、泣いたり、驚いたり」
「全力で楽しんでるからね。え、学くんも楽しかったで……しょ?」
「ははっ、それは自信持って言い切ってよ」
尻すぼみになる語尾に、流石に私がはしゃぎすぎたかも?とかブツブツ反省している。
「楽しかったよ」
楽しかったことを肯定すると、パッと花が咲くように笑った。困り顔も、泣き顔も可愛いと思うけれど、やっぱり陽奈子には笑顔が似合う。
「なにが?」
「カメラのやり取りとか。キャラクターなんて喋らないのに」
「違うのよ、学くん。あの子達は言葉はなくても雄弁にお話してるのよ」
すごく真剣に訴えるから、多分、そういうことなんだろう。
通じるものがあるらしい。
「さて、気を取り直してアトラクションいこ!結構時間くっちゃったからちょっと急がないと」
「うん」
目的のアトラクションはジェットコースタータイプではなくて、コースターに乗りながらゆっくりと物語をなぞるタイプのものらしい。
子供向けの乗り物かと思いきや、これが以外にも楽しい。
前へ進んだと思ったら、後ろへ。かと思えば、ぐいんと回って曲線を描き。
縦横無尽に行き交うコースターがよくもまあぶつからないものだと思いながら、すれ違うコースターに乗る人々の顔にも笑顔が見える。
幼い頃に見た映画を記憶の隅に思い出しながらアトラクションを楽しんだ。
その後は抽選会場へ向かう。
機械にバーコードをかざすとすぐに結果がわかるらしい。
「ビギナーズラックすご」
「え、当たったの?」
画面にはcongratulations!の文字が華々しく書いてある。
「しかもめっちゃ良席」
後ろの人の邪魔にならないよう、会場を後にすると当選券に書かれている番号で席を確認した陽奈子が呟いく。
そして、嬉しそうな顔をした一瞬後、くっ、と今度は悔しそうな顔をして急に僕に抱きついた。
「え、なに?」
「いや、ひとりで来た時にもその運分けてもらえないかと思って」
「なんだそれ」
思わぬ返答に僕は気が抜けたように笑ってしまった。
ぎゅ、と一つ抱きしめ返すと我に返った陽奈子が離れていく。少しの名残惜しさを感じつつ、僕はその後ろを付いていく。
そんな感じでゆっくりと楽しい時間を過ごしていくと、日は暮れて夜のショーの時間になり席につく。
屋外でライトアップされた園内は室内ほどの明るさはないけれど、趣がある。
また、ショーが始まればその光と音に飲まれそうで迫力に圧倒された。
ちらりと陽奈子を見れば、笑ったり泣いたりと表情がくるくると変わっている。それをやっぱり愛しく思いながら共にその時間を楽しんだ。
僕らは遠方から足を運んでいるので、閉園まではまだ時間があるけれど、このショーを見終えて帰宅の途につく。
未だ楽しい音楽が流れ、人々の笑顔が溢れるこの場所を後にするのは名残惜しく、後ろ髪引かれる思いで遠ざかる音楽を聞きながら足を進めた。
「忙しい1日だったね、陽奈子の顔」
「え」
「いや。笑ったり、泣いたり、驚いたり」
「全力で楽しんでるからね。え、学くんも楽しかったで……しょ?」
「ははっ、それは自信持って言い切ってよ」
尻すぼみになる語尾に、流石に私がはしゃぎすぎたかも?とかブツブツ反省している。
「楽しかったよ」
楽しかったことを肯定すると、パッと花が咲くように笑った。困り顔も、泣き顔も可愛いと思うけれど、やっぱり陽奈子には笑顔が似合う。



