こういうの余計なお世話って言うんだよね、知ってる……。

最終的に全部バレたというか、白状してしまったし、嘘をついたことは申し訳ない。


「…………なに、それ」


低い声が耳朶を打った。
狼谷くんは俯くと、乱暴に頭を掻いて唸るように呟く。


「あー、何だよそれ……まじか……」


ただならぬ彼の様子に、私は固まった。

怒った? 怒らせちゃった?
確かにスマホを勝手に見た時点で有罪だし、そのうえ嘘もついたし、一発くらい殴られても文句は言えない。

普段比較的柔らかい話し方をする狼谷くんだけれど、今の彼はすごく「男の人」らしいというか、少し乱暴な口調だ。


「あの、狼谷くん、ほんとにごめんね……」


せっかく穏やかに会話できるくらい仲良くなったのに、しょうもない私の言動でチャラになってしまったのではどうしようもない。


「羊ちゃん」

「はいっ」

「用事、ないんだよね?」


ぬらりと狼谷くんが顔を上げる。息を呑んだ。

いつものような優しい笑顔なんてどこにもなくて、ただ真っ直ぐに私を射抜くその目に圧倒される。


「な、ないです……」

「そう。じゃあちょっと付き合って?」


嗚呼、たぶん、拒否権はない。