ペアが決まり夕食後またこのロビーに集合となり、解散となった。


流れ作業のように夕食を食べて支度を終わらせるとあっと言う間に、肝試しスタートの時間となる。


学年全体で行われるこの肝試しは、どうやら先生達が時間をかけて準備してきたものらしい。


そうつまり臨海学校のメインは研究ではなく、この肝試しだ。


呆れてしまうが、自由を求めた大人の本気を受け入れることにした。


スタート場所は海岸から続いている小さな山道で、そこから小さな山に用意した祠の中のお守りをホテルまで持って来る事ができたらゴールとなる。


山中には、先生達が本気を出した罠がいくつもあるらしく、先生の目が燃えている。



「準備が出来たペアから順に並べ~。最初のペアが出発してから10分したら次のペア。10分間隔でそれぞれ進んでくれよ。……それじゃあ、開始!」



先生が小太鼓を叩くと、一番先頭に立ったペアが山道へと進んで行った。


満月ということもあり、少しは山道も歩きやすいだろうなどと考えながらいると、後から肩を掴まれた。