「私は今もまだこれに頼ってる。それは今の自分は昔となにも変わっていないことを示してる。なによりの証拠かなあって」
胸の中にある思いを、顔を上げてまっすぐ相手に伝えたい。
それが大人になった今も、なかなかできずにいる。肝心なところで傷ついた過去を思い出し、臆病になって諦めてしまう。
そんな自分が堪らなく嫌だけれど、それが自分なのだと受け入れつつある。
すると、下を向いていた月穂の顔が、ふいに大きな両手に包まれる。
「それは自分自身のことだから気づいてないだけじゃないのか」
祥真の声に誘われるように、ゆっくり視線を上げていく。
じんわりと優しい温もりを頬に感じながら、祥真と目を合わせた。
「君はちゃんと強くなってるよ。君自身、それに気づいてないんだな」
「え……」
「今、俺に向かって、ちゃんと自分の気持ちを伝えることができてるよ」
月穂は呆然とする。
祥真の言葉に驚いたのもあるが、それよりも祥真の真剣な眼差しに心を奪われていた。
「さっきだって、あいつに最後は反論していただろう。大体、迷惑をかけない人間なんていない。俺はロスでのことを、迷惑かけられただなんて思ったことはない」
初めは素っ気なかった祥真が、こんなふうに親身になってくれるだなんて、誰が想像できただろうか。
月穂は徐々に、驚きよりもうれしい気持ちが大きくなっていく。
特別な感情を持つ相手に熱い瞳を向けられて、鼓動が速まる。
月穂は熱くなった顔を隠すように瞼を伏せ、苦笑した。
「ふふっ。隼さんって本当に優しいですよね。櫻田さんが慕うのもわかります」
胸の中にある思いを、顔を上げてまっすぐ相手に伝えたい。
それが大人になった今も、なかなかできずにいる。肝心なところで傷ついた過去を思い出し、臆病になって諦めてしまう。
そんな自分が堪らなく嫌だけれど、それが自分なのだと受け入れつつある。
すると、下を向いていた月穂の顔が、ふいに大きな両手に包まれる。
「それは自分自身のことだから気づいてないだけじゃないのか」
祥真の声に誘われるように、ゆっくり視線を上げていく。
じんわりと優しい温もりを頬に感じながら、祥真と目を合わせた。
「君はちゃんと強くなってるよ。君自身、それに気づいてないんだな」
「え……」
「今、俺に向かって、ちゃんと自分の気持ちを伝えることができてるよ」
月穂は呆然とする。
祥真の言葉に驚いたのもあるが、それよりも祥真の真剣な眼差しに心を奪われていた。
「さっきだって、あいつに最後は反論していただろう。大体、迷惑をかけない人間なんていない。俺はロスでのことを、迷惑かけられただなんて思ったことはない」
初めは素っ気なかった祥真が、こんなふうに親身になってくれるだなんて、誰が想像できただろうか。
月穂は徐々に、驚きよりもうれしい気持ちが大きくなっていく。
特別な感情を持つ相手に熱い瞳を向けられて、鼓動が速まる。
月穂は熱くなった顔を隠すように瞼を伏せ、苦笑した。
「ふふっ。隼さんって本当に優しいですよね。櫻田さんが慕うのもわかります」



