「余計なことだった?」
「いえ……。正直、助かりました」
そう答えると、おもむろに祥真の手が肩から離れていった。
同時に、なんだか淋しくなった。
月穂は淋しさをごまかすかのように、無意識に自分の肩に手を置いた。
「だけど、ご迷惑をおかけしてしまって……」
「そんなこと気にしなくていい。だって、俺も前に助けられたから」
「え?」
祥真の言葉に、目を丸くする。
月穂の記憶では、彼に助けられたことはあっても、助けたことなどない。
月穂が茫然としていると、祥真は廊下の窓に背を預け、腕を組む。
「自分が中途半端な気がして、それでパイロットをやっていていいのか迷っていたら、君が、ほかになにが必要なんだ、って笑った。あれが俺の心を軽くしてくれた」
祥真はそのときのことを思い出しているのか、優しく微笑んだ。
「あれは本当に不思議な感覚だった。まるで憑き物が落ちたみたいだった。おかげで今、これまでよりもずっとクリアな気持ちで飛べてる」
「それは私の力じゃなくて、隼さんの元々の素質ですよ!」
月穂はびっくりして、ふるふると首を横に振って言った。
正直なところ、祥真にそんなふうに言ってもらえてすごくうれしい。だけど、月穂は自分の言葉が他人に大きな影響を与えるなんて、想像できなかった。
カウンセリングを通して、些細なきっかけにでもなれば本望。
話の聞き役になり、クライアントが自身で進むべき道を見つけ、応援する。
決して自分が相手を影響させたなんて思わないし、そういうことを目標にしているわけではない。
第一、自分は、昔から他人の心を動かすような言動などできないはず。
月穂は無意識のうちに、そういう心理が奥底にあった。
信じられない思いで祥真を見つめると、彼は瞳をまっすぐ覗いてくる。
「いえ……。正直、助かりました」
そう答えると、おもむろに祥真の手が肩から離れていった。
同時に、なんだか淋しくなった。
月穂は淋しさをごまかすかのように、無意識に自分の肩に手を置いた。
「だけど、ご迷惑をおかけしてしまって……」
「そんなこと気にしなくていい。だって、俺も前に助けられたから」
「え?」
祥真の言葉に、目を丸くする。
月穂の記憶では、彼に助けられたことはあっても、助けたことなどない。
月穂が茫然としていると、祥真は廊下の窓に背を預け、腕を組む。
「自分が中途半端な気がして、それでパイロットをやっていていいのか迷っていたら、君が、ほかになにが必要なんだ、って笑った。あれが俺の心を軽くしてくれた」
祥真はそのときのことを思い出しているのか、優しく微笑んだ。
「あれは本当に不思議な感覚だった。まるで憑き物が落ちたみたいだった。おかげで今、これまでよりもずっとクリアな気持ちで飛べてる」
「それは私の力じゃなくて、隼さんの元々の素質ですよ!」
月穂はびっくりして、ふるふると首を横に振って言った。
正直なところ、祥真にそんなふうに言ってもらえてすごくうれしい。だけど、月穂は自分の言葉が他人に大きな影響を与えるなんて、想像できなかった。
カウンセリングを通して、些細なきっかけにでもなれば本望。
話の聞き役になり、クライアントが自身で進むべき道を見つけ、応援する。
決して自分が相手を影響させたなんて思わないし、そういうことを目標にしているわけではない。
第一、自分は、昔から他人の心を動かすような言動などできないはず。
月穂は無意識のうちに、そういう心理が奥底にあった。
信じられない思いで祥真を見つめると、彼は瞳をまっすぐ覗いてくる。



