「そんな……ことは……」
「ふーん。でもさ。大人になったんだからもっと堂々としたら? そういううじうじした感じだと、会社でも嫌われるだろ? 俺なら新人がそういうタイプだったら苛ついちゃいそう」
ただでさえ、臼田とばったり会って動揺しているのに、臼田は口を開けばいちいち月穂の古傷を抉る。
小学校のころも、月穂が懸命に自分の気持ちを伝えようとしているのを、臼田は率先して揶揄していた。
そのせいで、月穂は余計に自分に自信をなくし、今もまだ引きずっている。
「あ。俺、空港内にあるブランドショップに勤めててさー。女子社員たくさんいるけど、みんな堂々としてるよ? まあ、お前は事務とかやってて話す機会も少ないんだろうけどさあ」
臼田は失言したことさえも気づかず、話し続けた。
十数年ぶりに会っても、臼田の性格は変わっていない。
しかし、そんな臼田に対し、堂々とできない自分もまた、変わっていないのかもしれない、と月穂は思う。
そんな自分が嫌で、勇気を絞って顔を上げた。
「ううん……事務じゃなくて」
「えっ。違うの? いっつも陰でおどおどしてたし、他の仕事をしてる想像できないわー。なんの仕事してんの?」
臼田が言う言葉ひとつひとつが、月穂にとっては大きな刃だ。
わざと傷つけようとしているわけじゃないというのが、余計に月穂を惨めにさせる。
臼田の勢いに負けて口を噤みそうになったとき、ふと胸の奥で小田や祥真に言われた『ありがとう』という言葉が蘇る。
過去の自分は自信がなくて、誰かにお礼を言われるようなことをできるなんて思いもしなかった。
月穂はその言葉に自信をもらい、背中を押される。
「ふーん。でもさ。大人になったんだからもっと堂々としたら? そういううじうじした感じだと、会社でも嫌われるだろ? 俺なら新人がそういうタイプだったら苛ついちゃいそう」
ただでさえ、臼田とばったり会って動揺しているのに、臼田は口を開けばいちいち月穂の古傷を抉る。
小学校のころも、月穂が懸命に自分の気持ちを伝えようとしているのを、臼田は率先して揶揄していた。
そのせいで、月穂は余計に自分に自信をなくし、今もまだ引きずっている。
「あ。俺、空港内にあるブランドショップに勤めててさー。女子社員たくさんいるけど、みんな堂々としてるよ? まあ、お前は事務とかやってて話す機会も少ないんだろうけどさあ」
臼田は失言したことさえも気づかず、話し続けた。
十数年ぶりに会っても、臼田の性格は変わっていない。
しかし、そんな臼田に対し、堂々とできない自分もまた、変わっていないのかもしれない、と月穂は思う。
そんな自分が嫌で、勇気を絞って顔を上げた。
「ううん……事務じゃなくて」
「えっ。違うの? いっつも陰でおどおどしてたし、他の仕事をしてる想像できないわー。なんの仕事してんの?」
臼田が言う言葉ひとつひとつが、月穂にとっては大きな刃だ。
わざと傷つけようとしているわけじゃないというのが、余計に月穂を惨めにさせる。
臼田の勢いに負けて口を噤みそうになったとき、ふと胸の奥で小田や祥真に言われた『ありがとう』という言葉が蘇る。
過去の自分は自信がなくて、誰かにお礼を言われるようなことをできるなんて思いもしなかった。
月穂はその言葉に自信をもらい、背中を押される。



