「そう言ったって、勝手に食べるわけにも捨てるわけにもいかないし。俺、今月はもう国内線(こっち)に来ないから」
月穂は祥真の説明に、『なるほど』と心の中で納得した。
それにしても、たかがタブレット三粒のために貴重な時間を割かせてしまって申し訳ない。
月穂は深々と頭を下げる。
「ご丁寧にありがとうございました」
手の中のタブレットを握ると、ありありと蘇る。
光が消えた部屋で、彼と唇を重ねた瞬間を――。
月穂は一気に気恥ずかしくなり、なかなか頭を上げられなかったが、勇気を出して祥真を見た。彼は悠々と足を組み、空を眺めていた。
顔を合わせて胸が燻るのは自分だけ。
祥真の平然とした横顔に、そう確信してしまった。
これまでの優しさは人助けでしかなくて、キスはあの場の雰囲気でしてしまっただけだ。
彼が自分に声をかけるのは、小田機長のことを気にかけているからであって、特別な感情があるわけではない。
あくまで、彼の中の自分の立場は、職場の臨時カウンセラーだ、と。
月穂は祥真に背を向け、こっそりタブレットをひとつ口に入れる。一度、深呼吸をした。
「コーヒーでも淹れましょう、か」
月穂は祥真の説明に、『なるほど』と心の中で納得した。
それにしても、たかがタブレット三粒のために貴重な時間を割かせてしまって申し訳ない。
月穂は深々と頭を下げる。
「ご丁寧にありがとうございました」
手の中のタブレットを握ると、ありありと蘇る。
光が消えた部屋で、彼と唇を重ねた瞬間を――。
月穂は一気に気恥ずかしくなり、なかなか頭を上げられなかったが、勇気を出して祥真を見た。彼は悠々と足を組み、空を眺めていた。
顔を合わせて胸が燻るのは自分だけ。
祥真の平然とした横顔に、そう確信してしまった。
これまでの優しさは人助けでしかなくて、キスはあの場の雰囲気でしてしまっただけだ。
彼が自分に声をかけるのは、小田機長のことを気にかけているからであって、特別な感情があるわけではない。
あくまで、彼の中の自分の立場は、職場の臨時カウンセラーだ、と。
月穂は祥真に背を向け、こっそりタブレットをひとつ口に入れる。一度、深呼吸をした。
「コーヒーでも淹れましょう、か」



