BIRD KISSーアトラクティブなパイロットと運命の恋ー

月穂は松葉づえでぴょんぴょんと飛ぶようにして歩き、カウンセリングルーム直前の携帯電話使用可能エリアで止まった。

 仕事中なのは重々承知しているが、どうしても祥真が無事なのかが気になる。

 唯一、関係している人物で連絡先を知っているのは夕貴だ。

 月穂はひと呼吸おいてから、夕貴に電話をかけた。
 プルルルル、という呼び出し音の回数が増えていくたび、気持ちも焦る。

 結局、夕貴も仕事中のようで応答がなく、途方に暮れたままカウンセリングルームへ戻った。

「大和さん? どうかしたの?」

 入室するなり、花田に尋ねられる。
 月穂は取り繕うことも忘れ、涙声で訴えた。

「花田さん……! UALの航空機が……もしかしたら、知り合いのパイロットが乗っていた飛行機かもしれなくて……。私、居てもたっても居られなくて。だけど、どうすることもできない……」

 信頼する花田の前では気丈に振る舞うことも忘れ、まるで子どものように取り乱す。
 花田は慌てて席を立ち、月穂の肩に手を置いた。

「大和さん。落ち着いて。UALの航空機がどうしたの?」
「さ、さっき、事故にって……ニュースでやってて、それで」
「ちょっと待って」

 話の内容を察した花田は、表情を引き締め、デスクにあるノートパソコンで事故の最新情報を検索する。
 すぐに記事は出てきたようで、真剣な顔つきで文字を追いながら、淡々と口にする。