君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「とにかく俺も注意して見ておくし、美紗も何か気づいたら教えてくれる?」


「うん、わかった」



とは言え、お兄ちゃんと久我くんが知り合いだったのかも、なんてことは言えず、罪悪感がつのる。


……と、視線の先に同じように移動教室から戻ってくる陽菜ちゃんが見えた。


同時にあたしと蒼くんに気づいて、「あっ……」って顔して気まずそうに足を止めるから。



「陽菜ちゃん!」



声を掛けて手を振ると、ほっとしたようにこちらに近づいてきた。


そんな陽菜ちゃんの元へあたしの方からも歩み寄り。


出会ったところで腕を引っ張り耳元でコソっとささやく。



「蒼くんと幸せにねっ」



瞬間、陽菜ちゃんの顔が赤みを帯びて……瞳がゆらゆらと揺れた。