君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



互いに、渡されたタオルで汗をぬぐう。


勝負には負けたが、蒼先輩と初めての1on1は気持ちよかった。


残ったのは、爽快感。


開け放たれた扉から入り込む風が気持ちいい。



「昨日の試合のあと……」



呼吸を整えた後、俺は口を開いた。



本気でぶつかりあった今だから、聞けると思ったんだ。



「一緒に帰ってた人って、彼女ですか?」



そう問いかけると、蒼先輩は新しい汗を生み出しながらも、表情を柔らかくした。



「見られてたんだ」



……それって、彼女ってことだよな。


俺は表情を崩さず、蒼先輩をまっすぐ見据えた。



「ひとつ聞いていいですか」


「……ん?」


「蒼先輩にとって、永井ってどういう存在ですか?」


「……」