君が好きなんて一生言わない。

いつも私を支えてくれた紗由。光をくれた紗由が見せた、初めての顔。

…こんなの、応援できないわけがないよ。





「…紗由は本当に椎先輩が好きなんだね」




紗由は真っ赤な顔をした。

それを見て私はひとつの決意をした。



「私、紗由と椎先輩を応援するよ」



心の中で叫び声がする。

泣き叫ぶ声がする。

胸が締め付けられるように痛くて、今にも泣いてしまいたいくらいだ。


…分かってる、その原因も理由も。


ねえ、だから涙なんて溢れたりしないで。

貼り付けた笑顔も崩れたりしないで。


分かってる、分かってるから、紗由の前では最後までいつもどおりの清水麗でいさせて。




「ありがとう、麗」



紗由は笑う。屈託のない笑顔をみせる。

…こんな可愛い笑顔の紗由に、誰が勝てるって言うの。

完敗だよ。