「お待たせしましたー。アサリと茎わかめのスープパスタでございます」


「美味しそう…!」



優羽は出されたパスタに目を輝かせる。


食べると、アサリのうまみと茎わかめの食感が絶妙で、ものすごく美味しい。

スープだけでも美味しく頂けそうだが、パスタの茹で加減もこれまたちょうど良く、思わず感心する。


感想を言うと、ゆきねは嬉しそうに微笑んだ。



「良かった。うちって、まだまだランチメニューが少なくてね…やっぱりお昼のお客様はティータイムの時間に比べて少ないのよね」


「そうなんですか。確かに私もお昼にはあんまり来ないかもしれないです」


「優羽ちゃんは確か、あんずジャムを気に入ってくれてるんだっけ?」


「あ、はい」



どうして知っているのだろうかと不思議に思ったが、店の店長は客の好みを把握するのも仕事なのだろうと勝手に納得する。

そういえば、あのジャムは店長のこだわりだというのをいつだったかに玲也から聞いたような覚えがある。