「里菜?」


美穂の言葉にハッと我に返った。


けれど、押し寄せて来る言葉の波は止まらない。


みんなの本心が聞こえて来る。


「どうしたの? 顔色悪いけど大丈夫?(最近の里菜ってやっぱり変)」


「だ、大丈夫だよ美穂!」


あたしはそう言い、慌てて自分の席に座った。


聞きたくなくて耳を塞ぐ。


それでも声はあたしの頭へ直接なだれこんでくる。


「おはよ、いい天気だね(こいつ本当は嫌いなんだよね)」


「おはよぉ。そうだね(なんでこいつと会話しなきゃなんないの?)」