土日は家にいてみんなと会っていないから、妙な体験もしなかった。


でも……。


ここは学校だ。


校舎の前まで来ると、途端に足が重たくなってきた。


また妙な声が聞こえるかもしれないと思うと、気が重い。


「今日はアヤって学校来るかなぁ?」


「え?」


「美羽たちかなり怒ってたからねぇ。ただで済むとは思えないでしょ?」


美穂がしかめっ面をしてそう言った。


あぁ。


そういえばそうだっけ。


「でも面白いよね。仲間割れする姿って見て見たい」


「そんな言い方――」


そう返事をしかけてあたしは口を閉じた。