「ありがとう……」


そう言ってプリントを受け取った。


「ねぇ、里菜アヤのこと聞いた?」


その言葉にあたしは「え?」と、美穂を見た。


美穂の表情は険しくなっている。


「さっき美羽からメッセージが来て、アヤに好きな人とられたって書いてあってさぁ」


「うそ……」


「本当だよ。アヤってひどいよねぇ」


しかめっ面をしてそう言う美穂。


あたしは美羽の泣きそうな顔を思い出してた。


あれだけショックを受けていると思っていたけれど、あちこちでアヤのやったことを話しているようだ。