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学校に到着する頃には夢のことなんてすっかり忘れてしまっていた。


どうにか遅刻せずに済んでホッとため息を吐き出す。


「里菜、今日は遅かったねぇ」


美穂がそう声をかけてきたので、あたしは苦笑いを浮かべた。


「つい寝過ぎちゃった」


「遅刻しなくて良かったね」


「そうだね」


そう返事をした時だった。


「死ね!」


そんな怒鳴り声が聞こえてきてあたしは身をすくめた。


「なに、今の……」


「なにって、なにが?」


美穂が首を傾げる。