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「誰も言っていない事が聞こえて来る?」


あたしの説明に先生は怪訝そうな表情でそう言った。


「はい……」


変な子だと思われている気がして、居心地が悪い。


「でも、耳に異常は見られなかったからなぁ」


「そうですか……」


あたしの耳は正常な状態らしい。


「君に必要なのは耳鼻科じゃなくて、精神的な医者かもしれないね」


そう言われて、あたしは目を見開いた。