誰も、なにも言っていない。


だけど確かに聞こえて来る声。


「菅原さん。菅原里菜さん」


あたしを呼ぶ声にハッと視線を向けた。


通路に立ちあたしを呼んでいる看護師さんがいる。


あたしは慌てて荷物をしまい、立ち上がったのだった。