『お前の願った品を手に入れるまで、お前の記憶は一時的に消える』


『どうして?』


『お前の気が変わらないようにだ』


そんなことしなくてもいいのにと、不満に思った。


『お前の望む品を手に入れれば二度と代用品を手に入れる事はできない。お前は俺の作った色眼鏡を付け、死ぬまで他人の本心を聞きながら生きて行くことになる』


それがどれだけの苦痛を伴うことなのか、考えもしていなかった。


ただ晃が好きで、晃の気持ちを知りたくて、それだけであたしは悪魔と契約を交わしたんだ。