あたしはパソコンの前で茫然としていた。


画面上には願いが叶うサイトが表示されている。


color glass……過去のあたしはその掲示板に書き込みをしていた。


《人の心が見える眼鏡を作ってください》と……。


「あたしが……作ったんだ……」


5年前にあたしが欲しいと願い、作ったんだ。


「本当になにも覚えてないの?」


夏生の言葉にあたしは左右に首を振り、頭を抱えた。


また何かを思い出しそうだった。


でも、それがなんなのかわからない。


思い出そうとするとすごく嫌な気持ちになる。