美穂と佳奈の声だ。


あたしはソファから立ち上がり、玄関へと向かった。


思った通り2人の姿がある。


「里菜、大丈夫だった?」


あたしと視線がぶつかった瞬間、佳奈がそう聞いて来た。


「うん。わざわざ来てくれたの?」


「だって、里菜が返事くれないから」


佳奈が服照れっ面をしてそう言った。


「ごめん。落ち着いてから返事をしようと思ったの」


「こんなところじゃなくて、ちゃんと上がってもらいなさい」


お母さんにそう言われ、あたしは美穂と佳奈を家に上げたのだった。