夏生の顔が浮かんできていた。


裏表のない夏生。


こういう時、夏生ならどうするだろう?


友達に無理に返事をするだろうか?


きっと、しない。


自分のペースで、自分が返信したいときにするだろう。


あたしは返信ボタンを押さずにスマホを鞄にしまった。


窓の外を眺めてみると、清々しい顔でほほ笑んでいる自分の顔がガラスに写り込んでいるのが見えた。