安田さんは上司の本心を知りたいと思っていた。


だから眼鏡に出合う事ができたんだろう。


でも、あたしは……?


ベッドに横になり、ボンヤリと考えた。


あたしは誰かの本心を知りたいなんて思っていない。


ただ新しい眼鏡が欲しいと思っていただけだった。


それなのに、どうしてこの眼鏡に選ばれたんだろう。


「神様って案外適当なのかも」


そう呟いて、目を閉じたのだった。