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夏生と2人で歩いていると、空はオレンジ色に染まり始めた。


「今日みたいなおばあちゃんを見てるとね、もうすぐなのかなって思うんだ」


夏生が独り言のようにポツリとそう言った。


「もうすぐって……」


「お迎え」


その言葉にあたしは夢の中の男性を思い出していた。


神様のように見えた男性。


「そんなことないよ。きっと大丈夫」


咄嗟にそう言っていた。


少しとは言え、フサエさんと知り合うことができたんだ。


もうすぐだなんて言ってほしくなかった。