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「お婆ちゃん、元気?」


夏生がそう声をかけてもフサエさんは反応を見せなかった。


今日は調子がよくないのか、ベッドから起き上がろうともしない。


「昨日の夜から熱が出てるの」


職員さんが部屋に入って来てそう教えてくれた。


どうりで、少し顔色が悪いと思った。


「夏生だよ。わかる?」


フサエさんの顔を覗き込んでそう声をかけるけれど、フサエさんからの反応はない。


「ごめんね里菜。今日は無理みたい」


そう言われてあたしはフサエさんに近づいた。


ベッドで横になっているフサエさんは、通日前よりも弱弱しく見えてしまう。


「早くよくなってくださいね」


あたしはそう言うと、夏生と2人で部屋を後にしたのだった。