こんな風に話しているだけでも、頭の中にみんなの本心が流れ込んでくる。


「そっか。体調大丈夫なのか?」


「大丈夫だよ」


そう言い、そっぽを向いた。


もうこれ以上あたしに話しかけないで。


そうアピールするように文庫本を取り出した。


活字を懸命に追いかけるふりをしていると、晃のため息が聞こえてきてあたしから遠ざかっていったのだった。


それを確認してホッと安堵のため息を吐き出す。


「なんかさ、里菜って晃に冷たいよね」