「昨日の宿題やった?」


そう言いながら近づいてくる美穂に、思わず後ずさりをしてしまった。


また汚い本心が聞こえて来るかもしれないと思うと、警戒してしまう。


「え、なに? なんで逃げるの?」


そんなあたしを見て美穂が眉を下げてそう言った。


傷ついている表情だけれど、昨日まで自分がなにをしていたのか覚えてないんだろうか。


「なんでもない」


あたしは短く返事をして鞄を開けた。


ノートを取り出し、美穂に渡す。


「ありがとぉ」


美穂は満面の笑顔を見せてあたしからノートを受け取ったのだった。