でも……ふと思い出した。


眼鏡のフレームだ。


金粉が混ざった赤い眼鏡。


「眼鏡が!!」


お婆ちゃんが大きな声でそう言い、部屋から逃げようとベッドから下りた。


しかし体が思うように動かないのか、床を這いずっている。


まるで、あたしから逃げるように……。