「お婆ちゃん、この子、あたしの友達だよ」


夏生にそう言われてあたしは一歩前へと移動した。


次の瞬間。


お婆ちゃんの目が大きく見開かれるのを見た。


なにかに怯えたように黒目が左右に揺れる。


「お婆ちゃん?」


夏生がそう声をかけた途端、お婆ちゃんが取り乱し始めたのだ。


「あぁ……! あぁ……!」


声を上げてあたしを指さし、何かを必死で訴えかけている。


「どうしたのお婆ちゃん?」


「赤い……赤い……!!」


赤い?


あたしは自分の体を確認した。


赤いものなんて身に着けていない。