あたしが眼鏡について説明し終えた時、丁度公園の街灯がついた。


そろそろ家に帰らなきゃ両親が心配してしまう。


「おもしろいお話だね」


夏生はそう言って笑った。


「うん。だよね」


あたしはそう返事をしてブランコから立ち上がった。


たとえ信じてもらえなくても、話をしただけで随分と心が楽になった。


「帰る?」


「もう真っ暗だもん、夏生も帰らなきゃ」


「そうだね。あたしは少しお婆ちゃんに会ってから帰ろうかな」


夏生はそう言ってブランコから立ち上がった。


「これから老人ホームに行くの?」


「うん。近いからね」