今まであまり親しくして来なかった夏生と、この距離で話せることが嬉しい。


「里菜も、なにか悩みがあるんでしょ?」


そう聞かれて、あたしは黙り込んでいた。


悩みなら、ある。


誰にも言えない悩みだ。


「あたしでよかったら、話を聞くよ?」


そう言われて、あたしは夏生を見た。


夏生になら話してみてもいいかもしれない。


今まで夏生の本心は聞こえて来ていないし、話をしても大丈夫なような気がしていた。


「今から話す事って、きっと信じられないと思う。だから、ただの妄想か何かだと思って聞いてほしい」


あたしがそう前を置きをして、眼鏡について話し始めたのだった。