「里菜お願い!」


そう声をかけられ、走るあたし。


「ボールこっち!」


「はい!」


投げたボールはそのままクラスメートの手をすり抜けてコート外へ。


「里菜! ちゃんとして!」


え……?


気が付けばクラスメートたちの視線があたしへ注がれていた。


この口角は奇妙に歪み、嫌らしい笑みを作っている。


それに気が付いた瞬間、全身に寒気が走った。