他に好きな人がいるかもしれないし、サッカー一筋で恋愛自体が眼中にないのかもしれない。


「試てみようよ」


成美が真剣な表情でそう言って来た。


あたしのため……なんだろうな。


そう気が付いて、あたしは雄大のスマホに視線を落とした。


少しくらいなら、真剣に考えてみてもいいかもしれない。


今真まで何年も片想いをしてきたことなんてない。


始めての経験だった。


なかなか距離を縮める事ができず、落ち込む日も多い。


正直、少し疲れて来たところだった。


「アンドロイドかぁ……」


あたしは小さな声でそう呟いたのだった。